翻訳家によるコラム「補償( Indemnification ) 」



法律・契約書コラム

法律・契約書コラム一覧へ戻る

2009/09/29
補償( Indemnification )

契約書翻訳、法律文書翻訳担当の岡田です。

今回は【補償( Indemnification )】についてご説明します。

The Licensor shall indemnify and hold the Licensee harmless from loss, damage, or liability for direct infringement of any third party's patent or copyright with respect to the Licensed Products, provided that the Licensed Products have not been modified and provided the Licensor is promptly notified by the Licensee in writing of any infringement and is permitted to defend, compromise or settle such suit or claim, and provided the Licensee gives to the Licensor such available information, assistance and authority as the Licensor deems necessary to the defense of such suit or claim.

ライセンサーは、ライセンス製品に関して、第三者の特許権または著作権の直接的な侵害による損失、損害または責任について、ライセンシーを免責補償する。ただし、ライセンス製品が変更されていないこと、ライセンシーがライセンサーに対して権利侵害を書面で速やかに通知し、ライセンサーによる当該訴訟または主張の防御、和解または解決を認めること、およびライセンシーがライセンサーに対して、当該訴訟または主張の防御に必要であるとライセンサーが判断した提供可能な情報、支援および権限を与えることを条件とする。

ライセンスしたり販売した商品が原因でライセンシーや買主に損害が発生したり責任を問われる場合は、ライセンサー(売主)がライセンシー(買主)を免責し補償するということを定めた条項です。 たとえば、ソフトウェア会社がパソコンメーカーに対して、「このソフトウェアは著作権などの知的所有権を侵害するものではないですよ」と保証し、パソコンメーカーがこれを信頼してソフトウェアをパソコンにインストールして販売したところ、他の会社から知的所有権の侵害で訴えられたとします。パソコンメーカーとすればたまったものではありません。そもそも、ソフトウェア会社が知的所有権を侵害しないというからインストールして販売したわけですから。そこでこうした事態に備えて、保証に反して著作権などの知的所有権を侵害する場合はライセンサーがライセンシーを免責補償することを定めておくわけです。ここでは、ライセンスを例にあげましたが、契約の内容によっては、製品の不具合や当事者の過失による損害を補償する旨を定める場合もあります。ただし、無条件に免責補償するわけにはいかないので、例文のように免責補償の条件を定め、また補償の上限額を定める場合もあります。


法律・契約書コラム一覧へ戻る