翻訳家によるコラム「セグウェイ社オーナー事故死」



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2010/10/04
セグウェイ社オーナー事故死

特急翻訳、ビジネス全般翻訳、技術全般翻訳、音楽翻訳担当の高橋です。

Yahoo のトップニュースで「セグウェイのオーナー事故死」と報じられていまして、「オーナー」というと「ユーザー」の意味でも使われることがあることから、ユーザーが誰か亡くなったのだろうかと思いながら記事を見てみたところ、昨年同社を買収した会社のオーナーがセグウェイ乗車中に亡くなったとのことでした。私は職業病( occupational disease) なのか、目に付く言葉をチェックしてしまう癖があるのですが、「セグウェイのオーナー」や「セグウェイオーナー」とするよりは、「セグウェイ社オーナー」としたら同じ文字数で誤解も生じないかなと思いながら読んでいました。

Los Angeles Times の Web 版を確認してみますと、

Segway company owner dies in fall

British businessman Jimi Heselden, who bought the company last year, dies in a fall off a cliff on his West Yorkshire estate, apparently while riding a Segway.

とあり、訳してみますと、

セグウェイ社オーナー、崖から転落死

英国の実業家でセグウェイ社を昨年買収したジム・ヘゼルデン氏が、ウエストヨークシャー州の自宅敷地で崖から転落して死亡した。セグウェイ乗車中の事故とみられる。

となります。

翻訳で注意すべき点としては、英字新聞の日英翻訳の場合、この英文のように died よりも dies という現在形が主に使われるという点がまずあります。ニュース記事や、歴史的な事実、会社案内での沿革を翻訳するときも同様で、現在形がよく使われます。また、 "dies in fall" は「秋に死去」と掛けているわけですが、ここまで意識して英訳ができると完璧ですね。

"apparently" を英日の辞書で見ると、第一の意味として「明らかに」とあり、そのような訳語だけで翻訳してしまいがちですが、「現場を検証したところ、セグウェイも崖下から一緒に発見」ということがおそらくあったのでしょう。日本語のニュース記事でよく使われる「〜とみられる」にちょうど相当します。

セグウェイは開発当時の「ジンジャー」と呼ばれていたころから注目していましたが、「環境に優しい乗り物 (environmentally-friendly vehicle) 」として、公道 (public road) でも安全に乗れるような形のものが開発されるとよいですね。


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